とあるライトノベル読みの感想ブログ 

ライトノベルの感想をgdgdと書いていくブログです

冴えない彼女の育て方 6巻 感想 「作中作と作品との関係性」

次巻で終わりとあとがきに明示されてある。

間違いなく、冬からのアニメ化と同時に終わらせるつもりだ。

 

 

 今回は2回目の英梨々回だ。

 前巻2回目の詩羽の話だったので、最初から考えていたのだろう。

 いよいよマスターアップの段階に入った。しかし、英梨々の絵のみが完成していなかった。

 英梨々は自分の別荘に行って、ひたすら絵を描くことに集中し始めた。詩羽が恋人が別れる直前という冗談を口にする。事実、英梨々は連絡がだんだんと滞っていく。 最終日になってようやく完成するが、英梨々は熱を出しており、そのまま倒れこんで、絵を送信することができなかった。

 倫也は通常マスターアップを遂行させる側だ。英梨々がいる別荘へは別の人間がいけばいい。しかし、倫也は一人で別荘へと向かった。英梨々はそれほどまでに大切だった。8年間ずっと仲たがいしていた。しかし、そんな中でも英梨々は自分のものだという独占欲が存在していた。共依存関係に近いものを感じる。二人は真に仲直りをする。共依存的な関係性は残したまま。

 ゲームは完成したものの、100部しか作れず、伊織と行った勝負にはボロ負けする。それはそれでよかったと誰もが考えた。しかし、加藤は倫也が自分に何も言わずに英梨々の別荘に行ったことを許せなかった。加藤の初めての反抗が始まる。詩羽が言っていた恋人が別れるという話は英梨々のほうではなく、実は加藤との関係に使われていた話なのかもしれない。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 9巻 感想 「真の関係」

 アニメの2期が決定した。

 原作と一緒に終わらせる可能性が高そうだ。

 

 

 前巻で、彼ら彼女らの関係はもろくも崩れ去ってしまう。奉仕部という形がなくても構わないと思っていた雪乃とその形に拘泥した八幡、結衣の差が軋轢を生む。

 かりそめの関係を続けたまま、物語は進行していく。決して、雪乃は自分の本音を述懐することはない。八幡と結衣はもっとも忌み嫌っていた空気を読んで、話を合わせていく。

 奉仕部はいろはから依頼を受けるが、八幡はそれを断り、代わりに自分一人で手伝うことを決める。

 当然、再び雪乃と結衣に気づかれ、さらに三人の距離が離れていく。

 しかし、八幡は決意をする。本当の関係、苦くても、つらくてもいいから本当の関係が欲しいと。だから、本音を雪乃と結衣に向かって「以来がある」と言うのだ。そこまでしか言えないのが非常に八幡らしいと感じた。

 雪乃はそれでも許すことはなかった。しかし、結衣が引かなかった。雪乃とけんかをしてでも、三人の関係を取り戻したかった。結衣のかたくなさ、八幡の本物の関係という言葉に折れ、雪乃は八幡の手伝いを行う。

 決して、彼ら彼女らは友情、友人なんていう言葉は使わない。なぜなら、その言葉を使った途端、薄っぺらい、うわべだけの言葉になってしまうと理解しているからだ。結衣ですら、ほぼ使わないように気を付けている。

 八幡、雪乃は相手校の生徒会長に対して、反対意見を次々に提示していく。それにより、合同クリスマス会の話は進展していく。

 今巻では、作中に『賢者の贈り物』が出てくる。この賢者の贈り物に出てくる二人は八幡にとっての真の関係なのだろう。未来のことはわからないが、きっとこうなりたいと信じているのだろう。

 

 

 

 

 

さくら荘のペットな彼女 10.5巻(最終巻) 感想 「本当の終わり」

 今回は短編集で、本当に最終巻だ。4月から同作者の新作が出されるので、それに合わせて一か月前に短編集を出したのだろう。

 

 

 

 サブキャラに重点的にスポットを当てた巻だった。

 本編で、空太の話が終わっている以上、必然的にまだ話が終わっていない栞奈と伊織の話になってしまう。

 栞奈は素直に伊織の好意を受け止めることができない。なぜなら、栞奈は自分のことが嫌いで、伊織とは釣り合わないと思っているからだ。もちろん、伊織はそんなことを全く気にしない。そのことが、栞奈をますます苦しめるのだ。しかし、周りにはさくら荘の味方がいる。彼女らに押され、栞奈は一歩踏み出すことができる。条件付きで、栞奈は伊織に対し、付き合うことを提案する。

 その条件は結局果たされなかったが、栞奈はさらに一歩踏み出すことができ、めでたく付き合うことができる。

 最後の書下ろしで、本編後の空太とましろの関係が描かれる。高校のときは、共依存関係に陥ってしまっていたが、空太の大学卒業後、二人共、成長していた。きっと、その後もうまくいってくれることだろう。

ストライク・ザ・ブラッド 10巻 感想 「プレ・クライマックス」

 とうとう10巻に到達。そろそろ終わりが見えてきた。

 

 

 今作も、最後の話につながるためのつなぎの話だった。矢瀬も、今回の敵は予行演習だと言っている。

 ヴァトラーは今回もトリックスターの役目を果たしていた。作者本人もその意識がかなり明確にあるのだろう。ヴァトラーから裸の少女が古城に送られてくるところから話が進んでいく。

 当然、古城は少女を守ろうとする。少女に自分の面影を重ねていた雪菜はそれに賛同する。雪菜は過去にも大きな影を抱えていることが判明する。雪菜はやはり強く、たくましく、美しい。確かにあだ名をつけられていた通り、少々地味かもしれないが。

 その少女は、神のための生贄だった。一巻のあとがきで書いていた通り、この作品では、強大な力を持ったキャラクターを受容していく物語を書きたいのだろう。今回の敵は神なので、今までで一番強い。しかし、古城は決してあきらめない。

 敵が完全に顕現する前に、古城は倒し切ることに成功する。

 今回は夏音の血を吸うことになった。ここまで浅葱の血を吸うことがないということは、やはりラスボスである可能性が非常に高そうだ。

 

天鏡のアルデラミン 5巻 感想 「主人公とヒロインの絆」

 相思相愛を超えた絆というものを大変上手に描いている作品だと感じる。 

 

 

 

 

 今回は海戦の続きだ。

 けがをしたイクタに代わって、マシューが作戦立案を務める。

 イクタは徹底的に人を使う。なぜなら、自分が英雄になってはいけないからだ。英雄は、人の怠惰の結果だ。そして、英雄になった人間は個人としての生を奪われる。だからこそ、自分が英雄になってはいけないと戒める。

 しかし、ヤトリはそんなイクタを律する。自分がいれば、英雄になったところで個人がつぶれたりはしないと。二人一緒にいれば、問題ないと。これは最初から一貫して二人が撮り続けていた姿勢だ。

 そんな二人をイクタに心惹かれるシャミーユ殿下は見て、そして、心が折れる。自分には最初から勝ち目がなかったのだと気づく。まだまだ子供で成長しない。いつ、どのように成長するのか期待しよう。

 海戦が始まる。艦これが流行っていることで書きやすくなった部分も若干あったかもしれない。しかし、説明されていない専門用語がいくらかあってそこは理解できなかった。もっとも、理解できなくても大筋に問題ないあたり、作者の技量がうかがえるが。

 最終的に帝国軍が勝利を収める。敵を強く見せつつ、いかに主人公側が勝っていくのかというのは非常に難しい問題だ。今回は、敵の司令官が爆裂砲に頼りすぎていたところを逆について勝利した。

 続いて、主人公は鉱山を攻めるが、そこで本国でクーデターが起こる。ヤトリが親に召集される。そのときにヤトリは「何も答えられない」ということだけイクタにいう。そのことから、イクタはすべてのことを類推し、自分のとるべき道をさとる。ヤトリのことを徹底的に信用しているからこそとれる行動だ。残念ながら姫に微塵も勝ち目はなさそうだ。

 ハロが亡霊であることが今回で判明した。一人だけ明らかに影を薄くしていたのでなにかがあるのだろうとは思っていたが。果たして、スパイであるのかが非常に楽しみだ。イクタはどうせ見抜いているのだろうから、イクタの思惑も気になるところだ。

 

 

 

ストライク・ザ・ブラッド 1巻 感想 「強いキャラクター」

 獅子の巫女たる高神の剣巫が願い奉る。破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威を持ちて我に悪神百鬼を打たせ給え!

 

 

 

 この作品の登場人物は基本的にみな不幸である。しかし、それでも話が重くならないのは、キャラクターの性格故か。

 ヒロインの雪菜は親に金で売り飛ばされ、ひたすら修行に励み、主人公の監視役にさせられる。通常ならば、性根が歪んでもおかしくはない。しかし、純情で、やさしく、美しい。

 獅子王機関の三聖から雪菜は古城の監視役を任される。しかし、雪菜は実戦が未経験で、古城の監視すらおぼつかない。

 結果、多くの失敗をしてしまう。

 オイスタッハやアスタルテを攻撃するのをためらい、そのせいで古城を傷つけてしまう。

 古城が自分の力をどう使うか悩んでいたところを、自分がしたいように使わせる。

 だが、その結果絃神島を守ることができる。雪菜は目の前の悪事が許せない。根からやさしく、強い。

 しかし、彼女は古城の監視役の任を解かれない。なぜなら、本当の監視役ではないから。実際は、古城の愛人役を押し付けられただけだった。

 もしかしたら、雪菜は古城の愛人となるためにちょろく育てられたのではないかという気がした。

 

 

 

お前をオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 9巻 感想

 次巻が最終巻だ。これ以上引き伸ばしても、うまくいかないと思うので英断だろう。

 

 

 

 

 

  8巻で小豆に告白され、その答えを主人公が出す。結果はイエスだった。好きでもない人間と付き合うラノベ作品は非常に珍しく、かなり衝撃の展開だった。女性作家らしさを見せたというべきか。

 小豆と付き合うことで得たしばしの幸福。付き合って、小豆に本気で惚れていくことになる。恋愛心理学で、恋愛とは自分のアイデンティティを相手に受け入れてもらうこと、という話があるが、それに見事に成功している。

 しかし、小豆は心が晴れない。なぜなら、桃が主人公のことを好きだと知ってしまったからだ。

 結局、小豆はクリスマスデートのときに逃げ出してしまう。恋愛と友情のジレンマに陥り、結局どちらも選べなくなってしまう。小豆の性格は一貫してブレてないと感じる。作者の自己投影が強いキャラなのではないだろうか。

 次巻で最終巻だ。桃が勝つと予想していたが、この展開で果たして本当に桃を主人公が選ぶのだろうか。いずれにせよ、選ばれなかったキャラにはきれいに散華してほしいと心の底から思う。