クロックワーク・プラネット 2巻 感想「ディストピアSFにおける解決策」
「ノーゲーム・ノーライフ」の作者榎宮先生他が合作で書いている作品。作品の雰囲気もかなりノゲノラに近い。
歯車のみに全てをゆだねた地球のお話。しかし、主人公を含め、ごく一部の人はこの世界がそう長く持たないことを知っている。まさにディストピアSFといったところだろう。
今作でマリーは「私たちは正義の味方ではなく、テロリストだ」と言う。正義の味方を名乗るのは結構だが、それで問題が解決するわけではない。だったら、この身をやつしてでも世界を救おうと主人公たちはするのだ。失敗したらテロリスト、しかし、成功したら革命者であり世界の救世主である。現代史にどっちでナオトは名を残すのだろうか。できれば、後者であってもらいたいものだ。
だが、主人公がYと同等なのであるとすれば、向かう先は、排除されてしまう運命なのかもしれない。力のあるものはいつの時代であっても忌み嫌われるのだ。