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天鏡のアルデラミン 感想「従来のファンタジー戦記との違い」

 既刊4巻までの感想を従来のファンタジー戦記と比較して述べていく。

 

 

 まず、これは最近のファンタジー戦記全般にいえることだが、女性が戦うことについてまったく違和感が存在しないことである。例えば、90年代のファンタジー戦記である「デルフィニア戦記」などでは、女性は守られる存在であり、そこを打破することが物語の一端を担っていた。一方、天鏡でヤトリが県をふるっていることを当然のものとして登場人物は甘受しているのだ。これは、現代において、女性が社会進出することで女性の社会的地位が相対的に上昇したことが理由として述べられると思う。男女が並んで戦うことが普通となったのだ。

 それにとどまらず、今作は女性であるヤトリが前衛、男性であるイクタが後衛で戦略を練っている。これはライトノベルにしては非常に珍しい。ライトノベルは主人公に感情移入するように書かれることが多いので、主人公が戦わないものでは爽快感を得られにくいからだ。イクタはそもそも剣を持って戦う気がなく、親指さえ残っていれば構わないと、3巻で交渉のために小指を切ってしまう。

 負けるために戦う主人公とシャミーユ。目的を達成したとき、引き起こされるのは皇室の消滅だ。シャミーユは処刑されるだろう。これを避ける術は存在するのだろうか。また、ヤトリは国家を守るためにイクタと戦うことも辞さないと言っているが、果たしてその時になったらどうするのだろうか。