とあるライトノベル読みの感想ブログ 

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デュラララ 13巻 感想 「それぞれの進む先」

 あとがきから察するに、2期はほぼ確定だろう。電撃春の祭典で発表するのか。

 

 

 

 

 まさに第一部完といった内容だった。彼らは前を向いて日常を歩き出す。

 どうしても最後まで帝が主人公にしか見えなかった。ここ2巻くらいはかなりセルティが主人公をやっていたのだが。

 この作品の登場人物はそれぞれどこか狂っている。自分を非日常に置きたくて止まない人間、寄生虫だと言い張る人間、と言えばきりがない。セルティが一番人間に見えたのは皮肉というべきか。

 特に帝の狂いようはこの巻においてさらに増していた。拳銃を手に入れていたが、それを親友である正臣に対して撃つ。しかも、ブラフを入れて拳銃を破棄したと見せかけて、もう一本の拳銃で撃つ。それも、すべて非日常を求めているために、だ。最終的に帝はダラーズをつぶし、死を希望する。狂ったあたりからそれを考えていたのではないだろうか。自殺を図ろうとしたところで、セルティに止められ、自分の過ちに気づく。日常を続けていくことこそが、真の非日常なのだと帝は気づく。まさに帝にとってはコペルニクス的転回だろう。すぐに非日常から脱却できたのは、周りのなせる業か。改めて帝は周りに恵まれていると感じる。だれにだって帝のように負の方向に陥ってしまうのだろう。

 静雄と臨也の決着は結局のところほぼ臨也が負けのドローというところか。最後の最後でとてつもなく臨也が人間っぽいところを見せた。相手が化け物だからこそ、自分の本性をさらけ出せるのか。

 首を取り戻したセルティは、それでも新羅のことを愛し続けていた。去っていこうとするセルティを新羅は静雄に投げ飛ばしてもらうことで追いかける。新羅の狂ったような愛情は、セルティを罪歌で首と胴体を切り離すまでに至る。

 次からは2年後の青葉の話だ。青葉はこの作品の中でもかなり気に入っているキャラクターなので非常に楽しみだ。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 4巻 感想 「新メンバーの加入と強化」

 今回は特装版と一緒に発売。アニメは既定路線だろう。

 

 

 

 今回はまさしくあとがきに書いてあった通り箸休め回だった。

 鍛冶師のメンバーが新たに加入する。どうしても戦える鍛冶師というと、SAOのリズを思い浮かべてしまうが、この作品では男だった。そこはあとがきにも書いてあるように、作者として譲れないところがあったのだろう。とはいってももともとゲームでも小説でも男性が就いていることが多いが。

 ミノタウロス戦で防具がぼろぼろになった主人公は防具を新調する。いままで使っていた防具が気に入っていたこともあり、主人公は再び同じ人の作った防具を買うことにする。その人こそ、加入メンバーとなるヴェルフである。主人公が身に着けたのはまたライトアーマー。速い主人公が鈍重な敵を回避しながら倒していく、まさに定番だろう。

 リリを含めた3人でダンジョンに潜っていく。レベルのバランスが悪いので、主人公頼みの構成だった。ヴェルフやリリをかなり危ない目に合わせることになってしまっている。次巻でパーティ連携のより細かい話に入ってくるのか。

 ヴェルフが持っている魔剣精製能力。それを本人は封じ込むことに決めた。力を持っていると、それを破棄することを人間は中々できず、頼りがちになってしまう。しかし、それをヴェルフは拒む。神の恩恵に頼りがちになってしまう主人公はそれを見習うことで、ますます訓練に励むことになるであろう。

 番外編が二つあった。3巻の間と前日譚。前日譚というのは、割とどの作者も考えているので、描かれる場合が多い。主人公がヘスティアにプレゼントを贈る話だ。ヘスティアが主人公に対して抱えているのは熱愛よりも友愛と言った方が正しい。ファミリアなので当然なのかもしれないが。恋人はアイズで、ヘスティアは家族で落ち着くのかもしれない。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3巻 感想 「主人公の成長」

 着実に進歩し続ける主人公はいったいどこまで進むのだろうか。

 

 

 

 今作であとがき通り一部完といったところか。

 レベル2になる条件が初めて明かされる。それは、限界以上のことをしろということ。冒険者として、冒険をしろということだ。主人公はエイナに冒険しないようにと強く言われ、そして納得している。また、深層の部分において、ミノタウロスに殺されかけて、それ以上冒険できないと感じた。誰かがそこから抜け出すために背中を押してくれる必要があった。

 そこに出てきたのが、主人公の思い人であるアイズだ。これほどまでに主人公のトラウマを克服する助力になる人はいないだろう。主人公は一週間、アイズに特訓に付き合ってもらう。そして、そのアイズの剣戟を見て、さらに上を目指すことを決意する。

 フレイヤは主人公に対してちょっかいをかけることを決意する。そして、強化したミノタウロスを主人公にぶつける。主人公はトラウマの克己を決意し、リリを守るためにはるかに格が上であるミノタウロスに立ち向かい、撃破する。

 主人公の成長という観点で、心も体も成長したことがわかる、非常に上手な構成だと感じた。

 祖父は神なのだろうか。ギリシャ神話において、英雄は神の子孫であるので、主人公が英雄になるとしたら、祖父が神なのもしっくりくる。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2巻 感想 「倫理と法」

 1巻に続いて2巻も読破。

 

 

 

 2巻で新ヒロインのリリが登場した。このヒロインは変身能力を用いて、人をだまして金を奪っているヒロインだ。

 私はこのヒロインが気に食わない。なぜなら、冒険者をだましておいて、復讐だと言っているからだ。この作品は中世のヨーロッパをモチーフにしているだろうし、作品と照らし合わせてみても、復讐はおそらく決闘以外認められていない。罪人を裁くのは、ギルドやファミリアであって人ではないのだ。しかし、このヒロインは自分が正しいとそう信じて断罪を行っている。そこにヒロインとしてのかっこよさも何も私は感じない。倫理から外れているとすら感じるのだ。

 小説に倫理を求めない人は多くいて、それには同感するところもある。しかし、ラノベの主人公やヒロインについて倫理を逸脱する人間は許容しがたい。もちろん、ギャグであるとか自覚できていないときは別だが。これを許す主人公は神様よりもはるかに寛大であると感じた。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 1巻 感想 「正統派ファンタジー小説がやってきた」

GA文庫大賞作品。ダンまちはもともとは小説家になろうの作品だったが、GA文庫大賞に送って賞をもらって出版した。

 

 

 正統派ファンタジー小説と呼べるだろう。10年ぶりくらいにハイファンタジーに戻ってきたようだった。近年、ローファンタジーが流行っている中では、このような作品はなかなかに珍しい。

 典型的なボーイミーツガールもの。それゆえに、もともと主人公から仲のいいヘスティアやエレナはそれ以上近づくことができない。この作品の場合、主人公がハーレムを宣言しているので、全員等しく愛することで帰結する可能性が高そうだが。

 個人的には、想いによって成長の度合いが変化するというスキルが秀逸に感じた。これならば、レベル上げをしていることにはできるが、いきなり強くなったというイメージを抱かせることがない。外国人と仲良くなるためにその人の話す外国語を勉強するという話があるが、主人公も同じことをしているだけだ。

 英雄になるということを主人公がどういう方法で示すのかが非常に楽しみだ。

ストライク・ザ・ブラッド 9巻 感想 「手本としてのストブラ」

 わりと刊行ペースが早い作品で、もうすでに9巻になってしまった。

 

 

 まさに小説のお手本と言える巻だった。SAOが小説のお手本だといわれているが、私はこっちを推したい。

 まずは最初に謎を提示する。次に主人公たちを動かして、事件に巻き込ませる手配を行う。新たなキャラを投入し、そのキャラの謎を提示し、クライマックスで解明させる。今回では二重人格とレヴィアタンを操作できる能力だ。その謎による結果を主人公が解決する。

 今回は新たな話につなぐためのつなぎといった印象が強かった。それでも安定して面白い話なのは、キャラが魅力的であるからかというのも大きいだろうが、なにより構成がきれいだということが挙げられるだろう。

 浅葱がラスボスの風格を本格的に漂わせてきた。モグワイ・浅葱でラスボスとなるのだろうか。

デート・ア・ライブ 9巻 感想 「コンプレックスの解消」

 今回は七罪編その2。

 

 

 この作品は常に、精霊の問題点を改善して導くという勧善懲悪ものの亜種となっている。その分、安心して読みやすい。

 今回は、いかにして七罪の自分は貧相でかわいくないというコンプレックスを取り除くかだった。七罪はこの作品のヒロインにしてはかなり負の側面が強いヒロインだ。自分を可愛くないと思い、他人にほめられても信じない。

 コンプレックスの解消に一番役に立つのは、手っ取り早いところから自分に自信をつけさせることだ。つまり、たいていの場合外見ということになる。七罪の場合も例にもれず、服を着せさせられ、化粧をすることによって自分に自信をつけていく。なによりもとどめになったのは、主人公やヒロインは誠実に向き合い、本心で話していたことだろう。凍っていた心が解け、七罪は最終的に主人公を助ける。

 それにしても、折紙の変態っぷりがかなり増していた。前作の 駆真にインスパイアされたキャラだと思うが、よりひどくなっていると感じる。

 これで、出てきた精霊は3,4,5,7,8,9,10となった。残り3体出てきたところで終了なのか、それともより大きい数が出てくるのか。この作者のことだから、数字にも何らかの意味を持っているとみるのが妥当だろう。